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岩牡蠣はなぜ大きい?真牡蠣との違い・セルガキ・旬や生食の疑問を解説

こんにちは、サカシュン運営者です。

魚屋や鮮魚売り場で牡蠣を見ていると、「岩牡蠣」「真牡蠣」に混じって「セルガキ」「セル牡蠣」という名前を見かけることがあります。

最初は「大きい牡蠣が岩牡蠣で、小さい牡蠣が真牡蠣なのかな?」くらいに見えますが、調べていくとそんな単純な違いではありません。

岩牡蠣と真牡蠣は、そもそも生物として別の種類です。よく見られる生息環境や成長の仕方、産卵する時期などにも違いがあり、それが大きさや旬の違いにもつながっています。一方、「セルガキ」は牡蠣の種類ではありません。

さらに気になるのが、「岩牡蠣って、なんであんなに大きいの?」「名前に岩が付くのはなぜ?」「夏になると居酒屋などで生の岩牡蠣をよく見かけるのは、真牡蠣より生食向きだから?」というところ。

今回は、養殖の岩牡蠣と真牡蠣を実際に購入し、家族で蒸し牡蠣にして食べ比べもしました。私は岩牡蠣派、娘2人は真牡蠣派。種類は違っても、味の差については思っていたよりずっと繊細でした。

そこでこの記事では、単に「岩牡蠣は夏、真牡蠣は冬」と覚えるのではなく、なぜ違うのかまで分かるように、生息地・大きさ・旬・名前・生食との関係まで順番に見ていきます。

この記事で分かること

  • 岩牡蠣と真牡蠣の本質的な違い
  • 生息地・大きさ・旬が違う理由
  • 岩牡蠣が生で提供されることが多い理由
  • セルガキと生食用・加熱用の見分け方

岩牡蠣と真牡蠣の違い、セルガキとは

岩牡蠣と真牡蠣を比べると、大きさや旬が目立つので、ついそこだけに目が行きます。ただ、その違いにはちゃんと背景があります。まずは「結局、この2つは何が違うの?」というところから見ていきましょう。

結局、岩牡蠣と真牡蠣は何が違う?

最初に答えてしまうと、岩牡蠣はイワガキ、真牡蠣はマガキという別種の牡蠣です。同じ牡蠣を、大きさや季節によって呼び分けているわけではありません。

そのため、「真牡蠣が何年も育ったら岩牡蠣になる」ということもありません。小さな岩牡蠣は成長しても岩牡蠣ですし、大きな真牡蠣も真牡蠣のままです。

大まかな違いを先に並べると、こんな感じです。

比較岩牡蠣真牡蠣
種類イワガキマガキ
典型的な生息環境外洋側の岩礁域内湾域
大きさ大型になりやすい比較的小型のものが多い
厚く大型になりやすい比較的細長い個体も多い
一般的な旬春~夏を中心秋~春を中心
天然・養殖どちらもある養殖が中心に流通
生食できるか種類ではなく生食用表示で判断種類ではなく生食用表示で判断

違いは大きさだけではない

岩牡蠣と真牡蠣は別種なので、大きさだけでなく、よく見られる生息環境や成長、成熟・産卵の時期にも違いがあります。その結果として、売り場では「夏の大きな岩牡蠣」と「冬の真牡蠣」という違いが目立って見えるわけです。

もちろん産地や養殖方法による例外はありますが、まずこの全体像を頭に入れておくと、後の話がかなり分かりやすくなります。

セルガキは殻付きの呼び名

上が岩牡蠣・下が真牡蠣

岩牡蠣と真牡蠣の話に「セルガキ」が加わると、急にややこしく感じます。でもセルガキは、まったく別の分類です。

セルガキ、またはセル牡蠣とは、基本的に殻が付いた状態の牡蠣を表す流通上の呼び方です。標準和名でも品種名でもありません。

市場や飲食業界などでは、むき身にしていない殻付き牡蠣を「セル」「セル牡蠣」と呼ぶことがあります。「shell(シェル)」が転じて「セル」になったという説明も広く見られますが、この語源については公的・学術的な資料で確定した説明として扱うより、業界で伝わっている説明の一つとして考えるのがよいでしょう。

セルガキは牡蠣の種類ではない

岩牡蠣・真牡蠣は「牡蠣の種類」、セルガキは「殻付きという商品形態」です。殻付きの真牡蠣も、殻付きの岩牡蠣も、流通上セル牡蠣と呼ばれる場合があります。

さらに「生食用・加熱用」は食品衛生上の用途表示、「天然・養殖」は生産方法です。

つまり、例えば「養殖・岩牡蠣・セル牡蠣・生食用」という商品もあれば、「養殖・真牡蠣・セル牡蠣・加熱用」という商品も成立します。

セルと書いてあるだけでは、岩牡蠣なのか真牡蠣なのか、生で食べられる牡蠣なのかまでは分かりません。ここは切り分けて考えてください。

岩牡蠣と真牡蠣は生息地も違う

では、岩牡蠣と真牡蠣は自然の中でどんな場所にいるのでしょうか。

これが意外と大きな違いです。京都府海洋センターの資料では、イワガキは外洋側の岩礁域、マガキは内湾域に分布するという違いが紹介されています。

また同資料では、イワガキは干潮線より下から水深約20mまでに分布するとされ、京都府では主に水深5mより浅い場所で確認されています。

一方のマガキは、河川の水が入り込む内湾などにも生息し、イワガキより幅広い塩分環境に対応できるとされています。

ただし、「岩牡蠣は外海、真牡蠣は内湾」と全国すべての個体を二分できるわけではありません。養殖場所もさまざまですし、実際の海は外洋・内湾ときれいに線引きできるものでもないですよね。

ここで覚えておきたいのは、岩牡蠣と真牡蠣には、もともと得意とする生息環境にも違いがあるということです。

詳しい生態は、京都府海洋センター「イワガキ養殖 2 生態」でも確認できます。

暮らしている海にも違いがある

典型的には、イワガキは外洋側の岩礁域、マガキは内湾域に多く見られます。つまり岩牡蠣は「真牡蠣の大型版」ではなく、生息環境の傾向まで異なる別種の牡蠣です。

岩牡蠣の岩は何を意味する?

生息地の違いが分かると、次に気になるのが「岩牡蠣の岩って、そのまま岩のこと?」ではないでしょうか。

イワガキの名前の由来については、岩や磯などに付着する牡蠣だから、あるいは厚くゴツゴツした殻が岩のように見えるからという説明があります。

ただし、「こちらが唯一の語源」と確認できる公的な由来資料までは見つけられませんでした。そのため、記事ではどちらか一方を確定した語源として断言しないほうがよさそうです。

生態そのものを見ると、イワガキが潮間帯より下の岩礁に固着する大型の牡蠣であることは確認されています。鳥取県も、イワガキが海中の岩盤やコンクリートブロックに付着して成長すると紹介しています。

今回購入した岩牡蠣を見ても、厚くゴツゴツした殻は確かに「岩牡蠣」という名前がしっくりくる姿でした。

ただ、「岩にくっついている牡蠣なら全部イワガキ」という意味ではありません。牡蠣は硬い物に付着して育つ生き物なので、岩牡蠣はあくまでイワガキという種類につけられた名前です。

なぜ岩牡蠣はあんなに大きい?

もっと大きいサイズも!

岩牡蠣を初めて見ると、一番驚くのはやっぱりサイズだと思います。

真牡蠣と並べると、「これ本当に同じ牡蠣の仲間?」と思うくらい殻が大きいものもあります。今回私が購入した2種類を並べても、岩牡蠣の殻はかなり存在感がありました。

この差は、「岩牡蠣だから長く育てている」という理由だけではありません。まず、イワガキそのものが、厚く大きな殻を持つ大型の種類です。

さらに、流通するまでの成長期間にも違いが見られます。

京都府が紹介している天然イワガキの調査例では、3歳で殻高約10cm・約200g、4歳で殻高約13cm・約370g。約1kgになるまで10年ほどかかる例も紹介されています。

養殖でも、水産研究・教育機構の資料では、約3年の養殖期間を経て300g程度に成長したイワガキから出荷されている例があります。島根県の隠岐でも、養殖開始から3年で約300gという成長例が紹介されています。

一方、宮城県の一般的なマガキ養殖では、出荷まで通常1~2年程度とされています。もちろん産地や養殖方法によって大きく変わり、10か月程度で出荷するマガキもあります。

岩牡蠣が大きい理由

岩牡蠣が大きく見えるのは、そもそもイワガキが大型になる種類であることに加え、数年かけて大きく育った個体が商品として出荷される例が多いことも関係しています。「真牡蠣を長く育てると岩牡蠣になる」という意味ではありません。

逆に言えば、サイズだけで魚種ならぬ「牡蠣種」を見分けることもできません。養殖方法によって大型に育つ真牡蠣もありますし、小さめの岩牡蠣もあります。

殻の形も、周囲に別の牡蠣が密集しているか、どんな場所に付着しているかなどで変わります。大きさや形は見分けるヒントにはなっても、最後は商品表示を確認するのが確実です。

なぜ旬の時期が違う?

岩牡蠣と真牡蠣では旬の時期もかなり違います。

真牡蠣は一般に秋から春、とくに寒い時期。岩牡蠣は春から夏を中心に流通します。

これも「そういう決まりだから」ではなく、それぞれの成熟や産卵のサイクルが関係しています。

一般的なマガキは、梅雨時期から夏にかけて産卵します。産卵では体内に蓄えていた栄養を使うため、産卵後は身入りが落ちやすく、秋から冬にかけて身を回復していきます。そのため通常のマガキでは寒い時期が旬として知られるようになりました。

一方、イワガキは地域差がありますが、京都府で天然イワガキを調べた例では、産卵時期がおおよそ8~10月とされています。島根県の養殖イワガキではグリコーゲン量が2~6月に多く、この時期が旬として紹介されています。

つまり、種類が違えば成熟・産卵するタイミングも違い、その違いが食べ頃の季節にも現れるというわけです。

だから「牡蠣は冬の食べ物」というイメージは、主に私たちがよく食べてきた真牡蠣の話。岩牡蠣はむしろ、真牡蠣の通常シーズンが終わる頃から存在感が増してきます。

ただし旬は地域で変わります。島根県では春から初夏が中心でも、岩手県の研究では晩夏から初秋を旬と判断した例もあります。

さらにマガキでも、産卵しにくい三倍体などを利用し、夏に出荷する取り組みがあります。ですから「夏なら岩牡蠣、冬なら真牡蠣」と季節だけで断定するのは避けましょう。

天然と養殖の違いではない

ここまで読むと、「外海の岩場にいる大きな岩牡蠣は天然で、真牡蠣が養殖なのかな」と思うかもしれません。

ですが、これも別の話です。岩牡蠣には天然物と養殖物の両方があります。

島根県ではイワガキ養殖が行われており、現在では養殖開始から3年ほど育てて出荷する例があります。今回私が食べ比べるために購入した岩牡蠣も養殖物でした。

そして比較した真牡蠣も養殖物です。

岩牡蠣にも養殖物がある

「岩牡蠣=天然」「真牡蠣=養殖」ではありません。岩牡蠣にも天然・養殖の両方があるため、天然か養殖か知りたい場合は、牡蠣の種類とは別に商品表示や販売店の案内を確認してください。

蒸して食べ比べた味と食感

種類、生息環境、大きさ、旬までかなり違うとなると、「じゃあ味も全然違うのでは?」と思いますよね。

私もそう思って、養殖の真牡蠣と岩牡蠣を両方購入し、家族で食べ比べてみました。

今回は生ではなく、両方とも蒸し牡蠣です。蒸したり焼いたりして余分な水分が抜けたほうが、牡蠣そのものの味や食感の違いを感じやすいのではないかと思ったからです。

実際に食べてみると、私には岩牡蠣のほうが少し味が濃く感じられました。

また、岩牡蠣は外套膜(がいとうまく)などのヒダ状に見える部分を含め、真牡蠣よりキュッと締まったような噛み応えがあります。対して真牡蠣は、今回食べた個体ではやわらかく、クリーミーさを感じやすい印象でした。

ただ、「別種なら誰でもすぐ分かるほど違うだろう」と思っていたほどの差ではありません。目をつぶって突然出されたら、私でも迷うかもしれない。そのくらいの違いです。

家族で蒸し牡蠣を食べ比べた結果

私は岩牡蠣派、娘2人は真牡蠣派でした。今回の個体では、岩牡蠣は締まった噛み応えと少し濃い味、真牡蠣はやわらかさとクリーミーさが印象的。ただし差は思っていたほど大きくなく、牡蠣好きなら結局どちらも美味しいです(笑)。

もちろん、これは今回購入した養殖の岩牡蠣と真牡蠣を、同じように蒸して比較したときの感想です。産地、時期、身入り、育て方などでも味は変わるため、「岩牡蠣は必ず濃厚」「真牡蠣は必ずクリーミー」と決めつけるものではありません。

牡蠣の味や身入りは、種類だけでなく産地、季節、成熟状態、育て方などでも変わります。「岩牡蠣なら必ず濃厚」「真牡蠣なら必ずクリーミー」と決めつけるのではなく、種類による違いと個体差の両方を考えたほうがよさそうです。

岩牡蠣と真牡蠣の違いとセルガキの選び方

ここまでで、岩牡蠣と真牡蠣は別種で、生息環境や成長、旬にも違いがあることが分かりました。では実際に魚屋やスーパー、飲食店で牡蠣を見るときは何を確認すればよいのでしょうか。特に分かりにくい「生食」との関係を中心に見ていきます。

セルガキを選ぶときの見方

魚屋やスーパーで「セル牡蠣」「セルガキ」と書かれていたら、その文字だけで判断せず商品表示を確認してみてください。

私なら、少なくとも「何の牡蠣か」「生食用か加熱用か」「産地はどこか」を見ます。

セルという言葉が教えてくれるのは、基本的に「殻付き」ということ。それ以上の情報は別途確認する必要があります。

特に間違えやすいのが、「殻付きで生きているように見えるから、生で食べられるだろう」という判断です。

殻が閉じている、見た目がきれい、新鮮そうというだけでは、生食用かどうかは判断できません。

なぜ岩牡蠣は生でよく出される?

夏になると、居酒屋や海鮮料理店などで、大きな岩牡蠣の殻を開けてそのまま提供しているのを見かけることがあります。

ここで、「岩牡蠣は真牡蠣より生で食べても当たりにくいのかな?」と思う人もいるかもしれません。

これは違います。岩牡蠣という種類だから生食に安全、真牡蠣より食中毒になりにくい、という意味ではありません。

実際、真牡蠣も生食用として普通に流通しています。生で提供できるかどうかは「岩牡蠣か真牡蠣か」ではなく、生食用として必要な基準を満たした商品かどうかが重要です。

その一方で、岩牡蠣の産地には、生食用の商品として積極的に出荷しているところがあります。

例えば島根県では、養殖イワガキの出荷期間中に大腸菌やノロウイルスなどの検査を行い、基準を超えたりノロウイルスが検出されたりした場合には、生食用としての出荷を停止する仕組みが設けられています。

詳しくは、島根県「イワガキの安心・安全確保の取り組み」で確認できます。

さらに岩牡蠣は、一般的な真牡蠣のシーズンが落ち着く春から夏に出回り、大粒の殻付き商品として扱われることが多い牡蠣です。

こうした生産・流通事情を考えると、「夏の大きな殻付き牡蠣を生で食べる」という商品として岩牡蠣が飲食店で目立ちやすいと考えると分かりやすいと思います。

つまり、「岩牡蠣だから生で食べる」のではなく、生食用として衛生管理・流通された岩牡蠣が、生食メニューとして提供されているという順番です。

岩牡蠣だから生食できるわけではない

岩牡蠣も真牡蠣も、生食できるかどうかは種類だけでは判断できません。市販品を生で食べる場合は、生食用として販売されている商品かどうかを必ず確認してください。

生食用と加熱用は別区分

牡蠣で特に大切なのが、生食用と加熱用は単純な鮮度の違いではないことです。

農林水産省によると、生食用牡蠣は食品衛生法に基づき、採取海域や浄化、加工などについて定められた基準を満たしたものです。

そして、見た目が新鮮でも生食に適しているとは限りません。生食用の表示がない牡蠣は、加熱して食べるよう案内されています。

公的な説明は、農林水産省「生食用牡蠣と加熱用牡蠣の違いについて教えてください。」で確認できます。

サカシュンでも、牡蠣の生食用と加熱用の違いについて別の記事で詳しくまとめています。

なお、生食用という表示は「食中毒の可能性がゼロ」という保証ではありません。適切に管理された生食用商品であっても、食品を生で食べる以上はリスクを完全にゼロにはできません。

セル牡蠣でも生食用とは限らない

セルは「殻付き」という商品形態です。岩牡蠣か真牡蠣か、生食用か加熱用かは別の話。生食用の表示がない牡蠣を、「殻付きだから新鮮そう」という理由で自己判断して生食するのは避けてください。

夏の岩牡蠣と安全性は別の話

「冬の牡蠣は怖いけれど、夏が旬の岩牡蠣なら大丈夫」という考え方にも注意が必要です。

旬と食品衛生上の安全性は別の話。岩牡蠣が春から夏においしい時期を迎えることは、食中毒の原因がなくなることを意味しません。

牡蠣などの二枚貝では、ノロウイルスなどによる食中毒への注意が必要です。

厚生労働省は、ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などについて、加熱する場合は中心部が85~90℃で90秒以上となることが望ましいとしています。

詳しくは、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」で確認できます。

さらに、牡蠣では貝毒も別に考えなければなりません。有毒な植物プランクトンを二枚貝が取り込むことで、麻痺性貝毒や下痢性貝毒などの毒素が蓄積する場合があります。

貝毒は通常の加熱で安全にできるものではないため、生産地で行われる監視や出荷規制が重要です。自分で採取した牡蠣を「焼けば大丈夫」と考えるのも避けたいところです。

なお、加熱用の殻付き牡蠣は「殻が開いたから十分に加熱できた」と判断するのではなく、中心まで十分に加熱することが大切です。牡蠣の大きさや殻の厚み、鍋、火力などによって加熱状態は変わります。今回の食べ比べでは蒸し時間を記録していないため、この記事でも「何分蒸せば大丈夫」という時間は作っていません。

旬と生食の安全性を混同しない

岩牡蠣が夏に旬を迎えることと、夏なら生で食べても安全ということは別です。種類や季節だけで判断せず、生食用・加熱用の表示や販売店の案内を確認しましょう。

牡蠣の違いに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 岩牡蠣は真牡蠣が大きくなったものですか?

A. いいえ。岩牡蠣はイワガキ、真牡蠣はマガキという別種です。真牡蠣を長期間育てても岩牡蠣にはなりません。岩牡蠣はもともと大型になる種類で、数年育った大きな個体が流通する例も多いため、真牡蠣とのサイズ差が目立ちます。

Q2. 岩牡蠣の岩は岩場にいるからですか?

A. 岩や磯などに付着すること、または厚くゴツゴツした姿が岩のように見えることに由来するという説明があります。ただし、どちらか一方を唯一の語源として断定できる公的資料までは確認できませんでした。イワガキが岩礁域などの硬い場所に固着して生息すること自体は確認されています。

Q3. なぜ岩牡蠣は夏に生で提供されることが多いのですか?

A. 岩牡蠣だから生食に安全という理由ではありません。岩牡蠣は春から夏に流通し、生食用として衛生管理・出荷される商品もあるため、大粒の殻付き夏牡蠣として飲食店の生食メニューで目立ちやすいと考えられます。真牡蠣も生食用の商品であれば生で提供されます。

Q4. セルガキは真牡蠣のことですか?

A. いいえ。セルガキは基本的に殻付き牡蠣を表す流通上の呼び方です。殻付きの真牡蠣も岩牡蠣もセル牡蠣と呼ばれる場合があります。セルという表示だけでは、牡蠣の種類や生食できるかどうかまでは分かりません。

Q5. 岩牡蠣なら夏でも生で食べられますか?

A. 岩牡蠣という種類だけでは判断できません。生で食べる場合は「生食用」として販売されている商品か確認してください。加熱用や生食用の表示がない牡蠣を、岩牡蠣だからという理由で自己判断して生食するのは避けましょう。

岩牡蠣・真牡蠣の違いとセルガキまとめ

岩牡蠣と真牡蠣の違いは、「大きいか小さいか」「夏か冬か」だけではありません。

今回のまとめ

  • 岩牡蠣はイワガキ、真牡蠣はマガキという別種
  • イワガキは外洋側の岩礁域、マガキは内湾域に多いという生息環境の傾向がある
  • 岩牡蠣はもともと大型になり、数年育った個体が流通する例も多い
  • 岩牡蠣の岩は、岩場への付着や岩のような外観に由来するという説明がある
  • 成熟・産卵時期の違いが、真牡蠣と岩牡蠣の旬の違いにも関係している
  • 岩牡蠣にも天然物と養殖物の両方がある
  • セルガキは種類ではなく殻付き牡蠣を表す呼び名
  • 岩牡蠣だから生食できるのではなく、生食用として流通しているかが重要

こうして見ると、「岩牡蠣は夏の大きな牡蠣」という特徴だけを覚えるより、ずっと分かりやすくなります。

別の種類だから、暮らす環境や成長の仕方、産卵する時期が違う。その結果として、大きさや旬にも違いが現れる。これが岩牡蠣と真牡蠣の違いを理解するうえで、一番大事なところかなと思います。

そして生食については、「岩牡蠣だから」ではなく「生食用として管理・流通している牡蠣だから」。ここも分けて考えると、夏に飲食店で生の岩牡蠣を見かける理由がかなり理解しやすくなります。

味については、今回養殖の岩牡蠣と真牡蠣を同じように蒸して比べたところ、私は岩牡蠣、娘2人は真牡蠣が好みという結果になりました。

岩牡蠣には少し締まった噛み応えと味の濃さを感じ、真牡蠣にはクリーミーさを感じたものの、正直なところ、目をつぶって突然食べさせられたら迷うかもしれません。

結局のところ、牡蠣好きならどっちも美味しいです(笑)。

岩牡蠣と真牡蠣が同じ時期に手に入ったら、大きさだけを見るのではなく、殻や身を眺めながら同じ料理で食べ比べてみるのも面白いですよ。あなたは岩牡蠣派か、それとも真牡蠣派か。ぜひ比べてみてください。

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