「イワシは安くて栄養満点だから食べさせたいけれど、子供が小骨を嫌がる…」
そんな悩みをお持ちのご家庭は多いのではないでしょうか。お肉料理ばかりで魚料理の頻度が下がってしまうのは、この「小骨がある魚の食べにくさ」が大きな壁になっていると痛感しています。
よく「イワシは手開きにすれば血合い骨が綺麗に取れる」という情報を見かけますが、実際にやってみると完璧に小骨を取り除くのは難しく、身の断面もボロボロになりがちですよね。さらに、忙しい平日に丸のイワシを買ってきて下処理をするのは抵抗があるはずです。
そこで今回は、中骨が取ってあるスーパーの「イワシの開き」にたったひと手間加えるだけで、残った小骨やヒレが全く気にならなくなる【サカシュン流・骨切りイワシフライ】の究極の作り方を伝授します!
私の娘も「骨がないみたい!美味しい!」とパクパク食べて実証済みの、サクサク&ふわふわな絶品レシピです。
【魚屋の豆知識】イワシのサイズと「入梅イワシ」の話

レシピに入る前に、スーパーでのイワシ選びが楽しくなる魚屋の豆知識を少しだけご紹介します。
市場や魚屋では、マイワシをその大きさ(成長段階)によって以下のように呼び分けています。
- 大羽(おおば)イワシ: 20cm以上の大型。脂の乗りが抜群でフライや塩焼きに最高!
- 中羽(ちゅうば)イワシ: 10〜20cm程度の中型。煮付けや天ぷらに使いやすいサイズ。
- 小羽(こば)イワシ: 10cm以下の小型。丸干しや唐揚げなどに最適。
特に、梅雨の時期に水揚げされる大羽イワシは「入梅(にゅうばい)イワシ」と呼ばれ、一年で最も脂が乗り、トロにも負けない極上の味わいになります。実際に鮮魚の現場で、この時期のイワシを捌いてると包丁・まな板・手袋が脂でギットギトになります(笑)
しかし、大きく成長して美味しくなるほど、身に残る小骨やヒレも立派になり口に当たりやすくなります。だからこそ、今回ご紹介する「小骨対策」のひと手間が、大きなイワシを美味しく食べるための最強の武器になるんです!
「手開き」は不要!スーパーの「開き」を賢く使おう

イワシの小骨対策として「手開き(包丁を使わず指でさばく方法)」がよく推奨されますが、プロの目線(私個人の感想?)から言うと、これはおすすめしません。
手開きをしても、結局細かな血合い骨は身に残ってしまいますし、何より断面が汚くなってしまいます。実は、スーパーで売られている綺麗な「イワシの開き」は、ほぼ100%包丁を使って開かれています。
忙しいご家庭なら、迷わずスーパーの「開いてあるイワシ」を買ってきましょう!そこにプロの技術を少し足すだけで、お店レベルの美味しい食べ方が実現します。
材料
- イワシの開き: 4〜8尾(大きさによって調整)
- 特製バッター液:
- 卵:1個
- 薄力小麦粉:大さじ5
- 水:50cc
- パン粉: 適量
- 揚げ油: 適量
【写真で解説】小骨が消える!骨切りイワシフライの作り方
1. 【重要】背ビレを取り除く
スーパーのイワシの開きは、内臓と中骨は取ってあっても「背ビレ」が残っていることがほとんどです。ここが口に当たる原因になります。

開いてあるイワシを一旦パタンと閉じ、背中に残っているヒレを包丁で挟んで、スッと引っ張ります。これだけで意外なほど簡単にヒレがスルスルと抜けます!(包丁が難しければ、手でつまんで引っ張っても構いません)。
このひと手間をするだけで、フライだけでなく蒲焼きなどにする際も、口当たりが劇的に良くなります。
2. 魔法の技術「骨切り」をする

次に、身に残っている血合い骨などの小骨を断ち切る「骨切り」を行います。京都のハモ料理のように「皮一枚残して寸止めする」といった熟練の技は必要ありません。

身の側から、2〜3mm間隔で細かく切り込みを入れていくだけです。
「皮ギリギリまで深く切らなくて大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが、浅めで全く問題ありません。それには魚屋ならではの明確な理由があります。
- ① イワシの骨はハモほど強靭ではない: そもそもイワシの血合い骨は、ハモのように太くて強い骨ではありません。
- ② 骨は「包丁を入れる側」が一番太い: イワシの血合い骨は、中骨にくっついていた根元部分(開いて上を向いている身の側)が最も太く、下にある皮に向かっていくにつれて細く柔らかくなっています。
つまり、口に当たって一番気になる「表面の太い部分」さえ包丁で断ち切ってしまえば、皮側の細い部分は揚げる際の熱で完全に柔らかくなり、気にならなくなるのです。
だから、皮まで攻めずに浅めに包丁を入れるだけでOK!神経質にならず、ある程度アバウトでも「ザクッ、ザクッ」と骨が切れる感触があれば効果は絶大ですよ。
3. バッター液とパン粉をつける

骨切りをしたイワシに、卵・小麦粉・水を混ぜ合わせた「特製バッター液」をたっぷりと絡ませ、パン粉をつけます。
骨切りの隙間にもバッター液が入り込むことで、旨味と水分をしっかりと内部に閉じ込めることができます。
4. 140〜160℃の「低温」でじっくり揚げる
イワシのフライでよく聞く悩みが「アジフライに比べて身がパサつく」というものです。入梅イワシのような大羽の脂が乗ったものなら問題ありませんが、年中出回るイワシは脂の乗り(良し悪し)の振り幅が大きいため、「揚げ方」に注意が必要です。
パサつきを防ぐ最強の方法が、サカシュン流の「低温フライ」です。
油の温度を140℃〜160℃と低めに保ち、じっくりと火を通してください。高温で急激に水分を飛ばすのではなく、バッター液の衣の中で「蒸し焼き」のような状態にすることで、脂が少ないイワシでも驚くほどふっくら、しっとりと仕上がります。
さらに、じっくり熱を通すことで、骨切りされた小骨が完全に柔らかくなり、口に当たる違和感が全くなくなります。
実食!小骨の存在感はゼロ、サクサクふわふわの極上フライ

こんがりとキツネ色に揚がったら完成です!熱々のうちに、自家製の究極のタルタルソースをたっぷりかけていただきましょう。
一口かじると、衣のサクッとした食感の直後に、イワシのフワフワな身と濃厚な旨味が口いっぱいに広がります。懸念していた大羽イワシの血合い骨は……見事に全く気になりません!
骨切りをしていないものと食べ比べると、その差は歴然です。娘も「今日のお魚、すごく美味しい!」と、小骨を一切気にすることなく完食してくれました。
まとめ:美味しい魚をもっと身近な食卓へ!
栄養満点で家計にも優しいイワシですが、「小骨があるから」という理由だけで敬遠してしまうのは本当にもったいないです。
スーパーの「開き」を使い、背ビレを抜いて、2〜3mmの「骨切り」をしてから「低温」で揚げる。
このサカシュン流のステップを踏むだけで、小さなお子様やご年配の方でも安心して食べられる、最高のご馳走フライに生まれ変わります。
サカシュンでは、これからも「骨を気にせず魚を美味しく食べられる魔法のレシピ」を数多く発信していきます。定番の塩焼きや煮付けだけでなく、「こんな美味しい食べ方もあるんだ!」という魚の魅力を、お肉料理と同じくらい皆様の食卓にお届けできれば嬉しいです。ぜひ今夜、イワシの骨切りフライに挑戦してみてくださいね!