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秋刀魚のくちばしが黄色い理由は?鮮度や見分け方を解説

秋の味覚の代表、秋刀魚。スーパーに並ぶと、旬の到来を感じますね。

ところで、新鮮な秋刀魚を選ぶ際、秋刀魚のくちばしが黄色いものが良いと聞いたことはありませんか?

秋刀魚の唇が黄色いのはなぜですか?

さんまの口は黄色い方がいいですか?

といった疑問や、逆にさんまが腐る色は何色ですか?

という鮮度の見分け方は気になるところです。

また、購入した後の捌き方も、簡単な塩焼きや焼き魚にする場合、あるいは刺身で食べる場合で異なります。

特に刺身は、スーパーで手軽に買えるようになったものの、食べられる時期や何をつけるか迷うことや、アニサキスによる危険も心配です。

この記事では、地域ごとの旬の違い、塩秋刀魚や新物の特徴、ウロコの処理まで、秋刀魚に関するあらゆる疑問にお答えします。

この記事で分かること

  • 秋刀魚のくちばしが黄色い科学的な理由がわかる
  • くちばしの色と鮮度の関係性や見分け方がわかる
  • 新鮮なサンマの美味しい食べ方と注意点がわかる
  • サンマの旬の時期や地域による違いがわかる

秋刀魚のくちばしが黄色い理由と鮮度の関係

  • 秋刀魚の唇が黄色いのはなぜですか?
  • さんまの口は黄色い方がいいですか?
  • さんまが腐る色は何色ですか?
  • 塩秋刀魚と新物の違いとウロコ
  • 美味しい旬の時期と獲れる地域

秋刀魚の唇が黄色いのはなぜですか?

結論から言うと、秋刀魚の唇(くちばし)が黄色いのは、エサとして食べている動物プランクトンに含まれる色素が原因です。

秋刀魚が主食とする「カイアシ類」という動物プランクトンには、カロチノイド系の黄色い色素が含まれています。

冷たい海に生息するプランクトンは、低温下でも活動できるよう体内に脂質を多く蓄える性質があります。

秋刀魚は、この脂質が豊富なプランクトンを大量に食べることで、自らの体にも脂を蓄えていきます。

この過程で、プランクトン由来の黄色い色素が秋刀魚の脂肪に溶け込み、特に脂肪が集まりやすい口の先端部分に蓄積されて黄色く見えるのです。

つまり、くちばしが黄色いことは、脂質豊富なエサをたくさん食べている証拠であり、結果として「脂が乗って美味しいサンマ」である可能性が高いと言えます。

豆知識:他の魚もエサで色が変わる?

同様の現象は他の魚でも見られます。

例えば、春先に獲れるホッケの中に体が赤みがかった「赤ホッケ」がいますが、これはアスタキサンチンという赤い色素を持つアミエビ類を食べることによるものです。

赤ホッケは脂乗りが良いとされています。

結局さんまの口は黄色い方がいい?

はい、新鮮なサンマを選ぶ上で、口先が黄色いことは非常に有効な判断基準の一つになります。

前述の通り、黄色い色はサンマが食べたエサに由来しますが、この色は鮮度と共に変化します。

水揚げされてから時間が経過するにつれて、この鮮やかな黄色は徐々に酸化し、色が薄れて茶色っぽく変色していくのです。

一般的には、水揚げからおよそ3日程度を過ぎると色の変化が目立ち始めると言われています。

そのため、スーパーなどの店頭でサンマを選ぶ際には、まず口の先の色をチェックすることをおすすめします。

より鮮やかな黄色をしているものほど、水揚げから時間が経っていない、新鮮な個体である可能性が高いです。

プロはここも見る!

ただ、くちばしの色だけが全てではありません。他のポイントと合わせて総合的に判断するのが、美味しいサンマを見つけるコツです。例えば、背中が盛り上がって胴回りが太いか、体全体にハリとツヤがあるかなども非常に重要なチェックポイントになりますよ。

さんまは鮮度が落ちると何色になる?

サンマの鮮度が落ちたサインは、特定の色に変わるというよりも、全体的な「光沢の喪失」と「色のくすみ」として現れます。

新鮮なサンマは、刀のようにキラキラと輝く銀色が特徴です。

しかし、鮮度が低下するにつれて、この美しい輝きは失われていきます。

具体的な変化は以下の通りです。

鮮度が落ちたサンマの特徴

  • 体表:銀色の輝きがなくなり、全体的にぼんやりとくすむ。
  • 目:澄んだ黒目から、白く濁ったり、赤く充血したりする。ただし、目の充血は水揚げ時の圧力で起こることもあるため、これだけで判断するのは早計です。
  • 口や顔周り:黄色かった口先が茶色っぽくなり、顔周りも色が薄くなる。

特に注意したいのがお腹の状態です。魚は内臓から傷み始めるため、お腹を軽く触ってみて、ハリがなくブヨブヨと柔らかいものは鮮度が落ちている可能性が高いです。

要注意のサイン

お腹周りが柔らかく、内臓が肛門から少し出ているようなサンマは、腐敗が進み始めている可能性があります。

いくら他の部分がきれいでも、このような状態のものは避けるのが賢明です。

新物と塩秋刀魚の違いとは?

店頭で見かけるサンマには、旬の時期に出回る「新物(生サンマ)」と、加工された「塩秋刀魚」があります。

それぞれの特徴を知ることで、用途や時期に合わせて最適な一匹を選ぶことができます。

まず、新物と塩秋刀魚の主な違いは以下の通りです。

種類特徴主な用途
新物(生サンマ)旬の時期(秋)に、一度も冷凍されずに生のまま流通するもの。鮮度が高く、脂の乗りが最も良い。刺身、塩焼き、蒲焼きなど
塩秋刀魚主に旬の時期に漁獲されたサンマを冷凍保存し、解凍して販売されるもの。旬以外の季節でも食べられる。塩焼き、干物など

近年はサンマの不漁が続いているため、旬の時期でも価格が高騰することがあります。

そのような場合、前年に豊漁だった時期に冷凍された質の良い「塩秋刀魚」の方が、かえって脂が乗っていて美味しいというケースも少なくありません。

意外と知らないサンマのウロコと鮮度の関係

サンマにはウロコがないと思われがちですが、実は小さくて剥がれやすいウロコが存在します。

では、なぜ店頭のサンマにはウロコがほとんど付いていないのでしょうか。

その理由は、水揚げされる際の網との摩擦で、ほとんどのウロコが自然に剥がれ落ちてしまうためです。

そのため、もし体にウロコが多く残っているサンマがあれば、それは非常に丁寧に扱われた、鮮度の良い個体である証と言えるでしょう。

調理前に残ったウロコは、包丁の背や流水で優しくこすって取り除くと、食べた時の口当たりが良くなります。鮮度を見分ける豆知識として、ぜひウロコの有無にも注目してみてください。

スーパーで値段が違うのはなぜ?サンマの大きさの規格

スーパーの鮮魚コーナーで、同じように見えるサンマの値段が違うことに気づいたことはありませんか?

その価格差の主な理由は、「大きさ(重さ)」にあります。

ポイントは非常にシンプルで、箱に書かれている尾数の数字が小さいほど、一尾あたりのサイズが大きく、脂の乗りが良い高級品ということになります。

今年の特に大きいサイズから一般的なものまで、規格の目安を以下の表にまとめました。

サイズ分類1尾あたりの重さ(目安)4kg箱での尾数2kg箱での尾数(目安)特徴・主な用途
超特大180g~200g20尾~22尾約10尾~11尾今年の特に大きい特大サイズ。市場に出回る量は非常に少なく、高級料理店などで扱われる希少品です。
豊漁の時は、スーパーでも並ぶことがあるので要チェック!
特大130g~150g26尾~30尾約13尾~15尾スーパーで並ぶことが多いサイズ。近年ではこの「30尾入り」規格が人気です。
115g~130g31尾~35尾約16尾~18尾お値打ち価格で販売されることが多いサイズですが、塩焼きでも脂がのってて十分満足できます。
100g~115g36尾~40尾約18尾~20尾少し小さいかなと感じるかも?
100g未満41尾以上約21尾以上主に缶詰や干物などの加工用として利用されることが多いサイズです。

スーパーでは既にトレーにパック詰めされていることが多いため、この規格を直接見る機会は少ないかもしれません。

しかし、もし発泡スチロールの箱が積まれていたら、側面に印字された数字をぜひチェックしてみてください。

「4K-30」のように書かれていれば、「4kg箱に30尾入り」という意味になります。

迷ったら、少し高くても大きいサイズを選ぼう!

サンマは、大きいものほど脂の乗りが良いとされています。

年に数回しか食べない旬の味覚だからこそ、少し奮発してでも大きいサイズを選ぶと、その満足度は格段に高くなります。

ふっくらと肉厚で、ジューシーなサンマをぜひ味わってみてください。

美味しい旬の時期と獲れる地域

秋刀魚という漢字が示す通り、サンマの最も美味しい旬は秋、具体的には9月から10月にかけてです。

サンマは日本の近海を回遊する魚で、季節によって生息域を変えます。

夏の間はエサが豊富なオホーツク海などの冷たい海域で成長し、たっぷりと脂肪を蓄えます。

そして秋になると、産卵のために日本の太平洋側を南下し始めます。

この南下してくるタイミングで漁獲されるサンマが、一年で最も脂が乗り、栄養価も高い状態なのです。

漁獲地域で変わるサンマの旬

サンマの南下に合わせて漁場も移動するため、漁獲される地域によって旬のピークが少しずつ異なります。

市場に流通するサンマは、前述の通り専門の規格に基づいて厳密にサイズ分けされています。

一般的に、サンマが入っている発泡スチロール箱の重さ(主流は4kg箱と2kg箱)と、その箱に入っている「尾数」によって規格が決まります。

ポイント

  • 8月末~10月中旬(北海道・三陸沖)
    南下の初期段階で、サイズが大きく脂の乗りも最高潮。鮮度も抜群で、この時期ならではの「お刺身」として食べるのに最適です。
  • 10月中旬~11月中旬(三陸沖~伊豆半島沖)
    南下が進むにつれて産卵を意識し始めるため、少しずつ脂が落ちてきます。この時期のサンマは、干物などの加工品に適しているとされています。

このように、同じサンマでも獲れる時期と場所によって味わいが変わるのが特徴です。「走り」の刺身を楽しむか、「盛り」の塩焼きを堪能するか、時期に合わせて楽しむのがおすすめです。

他の魚の旬については、鮎(あゆ)タカノハダイの記事でも詳しく解説しています。

秋刀魚のくちばしが黄色い新鮮な個体の食べ方

  • 捌き方 簡単なコツと焼き魚への応用
  • 美味しい捌き方 塩焼きのポイント
  • スーパーの刺身 時期と何つけるか
  • 刺身は危険?アニサキスに注意
  • 秋刀魚のくちばしが黄色い理由を知ろう

捌き方 簡単なコツと焼き魚への応用

新鮮なサンマが手に入ったら、ぜひご家庭で調理したいものですね。

ここでは、最も手軽な焼き魚にする場合の簡単な捌き方と、少しステップアップした三枚おろしの基本をご紹介します。

焼き魚にする場合の超簡単下処理

サンマは内臓にえぐみが少なく、独特のほろ苦さが美味しさの一部でもあるため、焼き魚の場合は内臓を取らずに丸ごと焼くのが一般的です。

この方法なら、包丁をほとんど使わずに下処理が完了します。

  1. サンマの表面を水道水で優しく洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。
  2. 体に残っている小さなウロコを、包丁で軽くこそげ落とします。
  3. 火の通りを均一にし、皮が破れるのを防ぐため、両面の胴体に10〜13本、斜めに浅く切り込みを入れます。

この手順だけで、美味しい塩焼きの準備が整います。

応用編:刺身にするための三枚おろし

刺身や蒲焼きなど、骨を取り除きたい場合は三枚おろしに挑戦してみましょう。

【三枚おろしの基本手順】
1. 頭を落とし、腹を切り開いて内臓を取り出し、きれいに水洗いします。
2. 中骨に沿って、頭側から尾側へ一気に包丁を入れ、まず片身を切り離します。
3. 裏返して、同様に中骨に沿って包丁を入れ、もう片身も切り離します。
4. 最後に、腹骨を薄くそぎ取り、身の中心にある血合い骨を骨抜きで抜けば完成です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、骨の感触を確かめながら包丁を進めるのがコツです。

新鮮なサンマは身がしっかりしているので、意外と捌きやすいですよ。

美味しい捌き方 塩焼きのポイント

サンマの塩焼きを家庭で最高に美味しく仕上げるためのポイントは、「塩の振り方」と「焼き方」にあります。

捌き方自体はシンプルですが、この二つの工程にこだわるだけで、お店のような味わいに近づけることができます。

まず、塩の振り方です。ポイントは「焼く15〜20分前」に「少し高い位置から」振ること。

調理の直前ではなく少し前に塩を振ることで、浸透圧により魚の余分な水分と臭みが外に出てきます。

この水分をキッチンペーパーで拭き取ってから焼くことで、身が締まり、生臭さが格段に減少します。

塩は化粧塩も忘れずに!
ヒレや尾は焦げやすいので、飾りとして多めに塩をすり込んでおきましょう。

これを「化粧塩」と呼び、見た目が美しくなるだけでなく、焦げ付きを防ぐ効果もあります。

次に、焼き方のポイントです。家庭用の魚焼きグリルを使う場合、とにかく「強火の遠火」が基本です。

グリルをしっかりと5分以上予熱してからサンマを入れ、まずは片面を7〜8分じっくり焼きます。

美しい焼き色がついたら裏返し、もう片面は3〜4分でさっと焼き上げるのが、皮はパリッと、身はふっくらジューシーに仕上げるコツです。

なぜ大根おろしを添えるの?

サンマの塩焼きの付け合わせとして定番の大根おろしには、実は理にかなった理由があります。

大根に含まれる消化酵素「ジアスターゼ」が、脂の多いサンマの消化を助けてくれるのです。

また、さっぱりとした風味が、サンマの濃厚な旨味と絶妙にマッチします。

スーパーの刺身の時期や何つけると美味しくなる?

スーパーでサンマの刺身が手に入るのは、生のサンマが北海道や三陸沖で水揚げされる8月末から10月中旬頃までの短い期間に限られます。

この時期は、サンマが最も脂が乗っており、かつ鮮度が非常に高いため、塩焼きだけではなく生食に適しています。

輸送技術の向上により、昔は産地でしか味わえなかったサンマの刺身が、今では多くの地域のスーパーで手軽に購入できるようになりました。

「お刺身用」や「生食用」と記載のあるものを選びましょう。

サンマの刺身を何つけて食べるか、定番から少し変わったアレンジまでご紹介します。

食べ方特徴
わさび醤油・しょうが醤油最も定番の食べ方。薬味がサンマの脂の旨味を引き立て、さっぱりといただけます。
ポン酢ともみじおろし柑橘の酸味が脂の多いサンマと好相性。さっぱりとしながらも、もみじおろしのピリッとした辛味がアクセントになります。
塩とすだち(かぼす)素材の味をダイレクトに楽しみたい方におすすめ。良質な塩と柑橘の爽やかな香りが、サンマ本来の甘みを引き出します。
カルパッチョ風オリーブオイル、塩、黒胡椒、レモン汁などで和える洋風アレンジ。刻んだ香味野菜(ミョウガや大葉など)を加えるのもおすすめです。

スーパーで刺身用のサクを選ぶ際は、パックの中に水分(ドリップ)が出ておらず、身に透明感とハリがあるものを選ぶのが、美味しくいただくための重要なポイントです。

刺身は危険?アニサキスに注意

サンマの刺身は非常に美味しいですが、生で食べる際にはアニサキス」による食中毒のリスクについて正しく理解しておくことが重要です。

アニサキスは、サバやイカ、サンマといった多くの魚介類の内臓に寄生している長さ2〜3cmほどの白い糸のような寄生虫(線虫)です。

宿主である魚が死んで鮮度が落ちると、内臓から筋肉(身)の部分へ移動する性質があります。

このアニサキスが生きたまま人の体内に入ると、数時間後に胃や腸の壁に噛みつき、激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こします。

アニサキス食中毒を防ぐためのポイント

アニサキスによる食中毒は、適切な処置によって防ぐことが可能です。

厚生労働省も注意を呼びかけており、以下の点を心がけることが推奨されています。
(参照:厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう)

  • 加熱する:アニサキスは熱に弱く、70℃以上、または60℃で1分間の加熱で死滅します。焼き魚や煮魚にするのが最も安全な食べ方です。
  • 冷凍する:-20℃で24時間以上冷凍すると、アニサキスは感染性を失います。一度冷凍したものを解凍して刺身にするのは有効な対策です。
  • 目視で確認・除去する:自分で捌く場合は、内臓を速やかに取り除き、身をよく見てアニサキスがいないか確認しましょう。白い糸状のものを見つけたら、物理的に取り除いてください。

スーパーなどで販売されている「刺身用」のサンマは、業者が適切な処理を行っている場合がほとんどですが、リスクがゼロではありません。

特に自分で釣った魚や、一匹丸ごと購入したサンマを生で食べる際には、細心の注意が必要です。

まとめ:秋刀魚のくちばしが黄色い理由を知ろう

  • 秋刀魚のくちばしが黄色いのはエサのプランクトンが持つ色素に由来する
  • プランクトンを多く食べると脂が乗ると同時に口先が黄色くなる
  • くちばしの黄色は新鮮さを見分ける有効なバロメーターの一つ
  • 鮮度が落ちると黄色は薄れて茶色っぽく変化する
  • 鮮度が悪いサインは体表の輝きがなくなり目が濁ること
  • お腹が柔らかいサンマは腐敗が始まっている可能性があるので注意
  • 旬の時期に生のまま流通するのが新物(生サンマ)
  • 旬の時期は9月から10月で北海道や三陸沖から南下してくる
  • 塩焼きにするなら内臓は取らずに丸ごと焼くのが簡単で美味しい
  • 塩焼きのコツは焼く少し前に塩を振り強火の遠火で仕上げること
  • 刺身で食べられる時期は8月末から10月中旬頃の短い期間
  • 刺身にはわさび醤油のほかポン酢や塩とすだちもよく合う
  • 生のサンマにはアニサキス食中毒のリスクが伴う
  • アニサキス対策は加熱・冷凍が最も効果的
  • 自分で捌く際は内臓を速やかに取り除き身を目視でよく確認する

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