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赤魚は体に悪い?「安すぎる」理由と危険性の正体を魚屋が完全解説!金目鯛との違いや縮まない焼き方も

スーパーの鮮魚コーナーや冷凍食品売り場でよく見かける真っ赤な魚といえば赤魚ですね。

特売で並んでいることも多く、家計に優しいお魚として手に取る方も多いのではないでしょうか。でも、インターネットでレシピを調べようとすると「赤魚 体に悪い」なんていう検索ワードが出てきて、急に不安になったことはありませんか。

あの鮮やかすぎる赤色は着色料なのか、それともアラスカやロシアからの輸入品だから放射能や水銀の心配があるのか、安すぎる値段には何か裏があるのではないかと勘繰りたくなる気持ちはよくわかります。私も鮮魚業界で働き始めた頃は、なぜこんなに安いのか不思議に思ったものです。

この記事では、皆さんが抱いている赤魚に関する疑問や寄生虫であるアニサキスのリスクについて、一つひとつ丁寧に紐解いていきます。

この記事で分かること

  • 赤魚が体に悪いと言われる本当の理由と科学的な安全性
  • 着色料や水銀に関する公的データに基づいたリスク評価
  • 安くても栄養価が高い赤魚のメリットと選び方のポイント
  • パサパサせず臭みもない美味しく食べるための解凍テクニック

赤魚が体に悪いという噂の真偽と安さの理由

「安物買いの銭失い」なんて言葉がありますが、食品に関しては「安物買いの健康失い」になってしまわないか心配ですよね。ここでは、ネット上で囁かれている「赤魚は危険」という噂について、その根拠を一つずつ検証し、なぜあんなに安く売られているのか、そのカラクリを包み隠さずお話しします。魚屋として現場で見ている「事実」をベースに、皆さんのモヤモヤを解消していきます。

「赤魚」の正体は高級魚?アコウダイとの違いと流通の裏側

「昔は赤魚(アカウオ)といえば、高級魚のことだったんだよ」

年配の方や、昔から魚に詳しい方から、そんな話を聞いたことはありませんか?実はその通りで、この「名前のトリック」こそが、消費者が混乱してしまう原因の一つなんです。

かつて日本で「赤魚」と呼ばれていたのは、「アコウダイ(メヌケ)」という魚でした。これは釣り人憧れの深海魚で、今では料亭でしか見かけないような超高級魚(1匹数千円〜1万円クラス)です。

アコウダイ

しかし、国産のアコウダイが獲れなくなり価格が高騰したため、その代用として輸入されるようになったのが、現在スーパーで並んでいる「アラスカメヌケ」や「モトアカウオ」です。

アラスカメヌケ
通称本来の「赤魚」
(アコウダイ)
今の「赤魚」
(アラスカメヌケ等)
産地日本近海アラスカ・ロシア等
価格超高級庶民的(激安)
関係性本家親戚(近縁種)

ここで重要なのは、スーパーの赤魚は「偽物」ではなく、「生物学的に非常に近い親戚(近縁種)」だということです。

分類上は同じ「カサゴ目フサカサゴ科」に属しており、味や食感は高級魚のアコウダイにかなり似ています。「高級魚の親戚が、海外で大量に獲れるおかげで安く食べられる」と考えれば、これほどお得な話はありませんよね。「安い=怪しい」ではなく、「代用魚としての歴史」が、この安さの正体なのです。

赤魚の着色料や添加物の危険性と選び方

赤魚売り場で一番気になるのは、やはりあの目が覚めるような「赤色」ではないでしょうか。「自然界にこんなに赤い魚がいるの?」と疑いたくもなりますし、まるでペンキで塗ったような不自然さを感じる方もいるかもしれません。

実は、この赤色には明確な理由があります。スーパーで売られている赤魚の商品、特に「粕漬け」や「干物」などの加工品の中には、食品添加物である着色料(主に赤色102号など)が使われているものがあります。赤魚の皮に含まれる天然の赤い色素(アスタキサンチン)は、光や空気に触れると酸化しやすく、時間が経つとどうしても色がくすんで褐色になってしまいます。店頭に並んだ時に「美味しそう」と思ってもらうため、そして商品の価値を保つために、あえて色を足しているのです。

着色料「赤色102号」とは?

タール色素の一種で、日本国内では食品衛生法に基づき、安全性試験を経て厚生労働省が使用を認めている指定添加物です。しかし、アメリカなど一部の国では食品への使用が禁止されていたり、EUでは子供の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に影響を及ぼす可能性についての警告表示が義務付けられていたりと、国によって評価が分かれる成分でもあります。「できるだけ添加物は避けたい」と考えるのは、消費者としてとても自然な心理です。

「じゃあ、赤魚は買わない方がいいの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。着色料のリスクを避ける方法は非常にシンプルです。パッケージの裏側にある「原材料名」を必ずチェックする習慣をつけてください。そこに「着色料(赤102)」などの記載がなければ、その赤色は魚本来の天然の色です。

私が身を置く鮮魚業界でも最近は変化があり、「無着色」を大きくアピールした粕漬けや、素材そのままの「冷凍切り身(フィレ)」の取り扱いが増えています。実際、売り場でも「色が自然な方が安心する」というお客様の声を多く耳にします。不自然に均一な赤色ではなく、背中側が濃くてお腹側が薄いといった「自然なグラデーション」があるものを選ぶのも目利きのポイントです。選び方さえ知っていれば、添加物のリスクは完全にコントロールできる問題なのです。

赤魚の水銀量は妊婦や子供に影響するか

次に、健康意識の高い方や妊娠中の方が特に心配されるのが「水銀(メチル水銀)」の問題です。「赤魚は深海魚だから水銀が溜まっているんじゃないか?」「寿命が長い魚は危ないって聞いたことがある」という不安の声もよく耳にします。

確かに、自然界には微量の水銀が存在し、食物連鎖を通じて魚の体内に取り込まれます。大きな魚が小さな魚を食べることで濃縮されていくため、食物連鎖の頂点にいる大型の魚(クジラ、イルカ、大型のマグロ、キンメダイなど)や、深海で長く生きる魚は水銀濃度が高くなる傾向にあります。

しかし、結論から申し上げますと、流通している赤魚の水銀濃度は一般的な魚介類と同程度であり、過剰に心配する必要はありません。

その根拠となるのが、各国の公的なモニタリングデータです。米国食品医薬品局(FDA)が公表しているデータによると、赤魚(Ocean Perch)の平均水銀濃度は0.121ppmとなっています。これは、一般的に安全と言われているマダラ(0.111ppm)や、ツナ缶(ライト・カツオ主体:0.126ppm)とほぼ変わらない数値です。一方で、注意が必要とされるキンメダイやメバチマグロなどは、この数倍から十数倍の濃度になることもあります。

日本の厚生労働省も、妊婦さんが摂取する魚介類に関する注意事項を公開していますが、その中で赤魚は「摂取を控えるべき魚」や「量や回数を制限すべき魚」のリストには含まれていません。

もちろん、どんなに安全な食材であっても「毎日3食、山盛りの赤魚だけを食べ続ける」といった極端な偏食をすればリスクはゼロではありませんが、通常の食生活として週に1〜2回、夕食のメインディッシュとして楽しむ分には、お腹の赤ちゃんや小さなお子さんの健康に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いと言えます。むしろ、魚に含まれる良質なタンパク質やDHAなどの栄養素を摂るメリットの方がはるかに大きいのです。

正確な情報を知ることは、安心への第一歩です。公的機関の詳しい情報を確認したい方は、以下のページも参考にしてみてください。
(出典:厚生労働省『魚介類に含まれる水銀について』)

赤魚の寄生虫アニサキスによる食中毒リスク

魚を扱う上で避けて通れない話題、それが「アニサキス」です。白い糸のような寄生虫で、生きたまま食べてしまうと胃や腸の壁に食いつき、のたうち回るほどの激痛を引き起こす食中毒の原因となります。私自身、魚屋として働き始めてから、アニサキスの恐ろしさは先輩たちから口酸っぱく教え込まれてきました。

「赤魚にもアニサキスはいるの?」と聞かれれば、答えは「イエス」です。赤魚は天然の魚であり、オキアミや小魚を食べて育つため、内臓や筋肉にアニサキスが寄生している可能性は否定できません。

しかし、スーパーで並んでいる赤魚に関して言えば、アニサキスによる食中毒のリスクは極めて低い、ほぼゼロに近いと言っても過言ではありません。その最大の理由は、赤魚の流通形態にあります。

冷凍と加熱のダブルブロック

  • 流通段階での冷凍: アニサキスは低温に弱く、-20℃で24時間以上冷凍すると死滅します。日本で流通している赤魚のほとんどは、アラスカやロシアなどの遠洋で漁獲された直後に、船の上や現地の加工場で「急速冷凍」されます。そして、カチコチに凍った状態で冷凍コンテナで運ばれてきます。この強力な冷凍プロセスの段階で、仮に寄生虫がいたとしても死滅しています。
  • 調理段階での加熱: 赤魚は基本的にお刺身で食べる魚ではありません。煮付け、塩焼き、粕漬けなど、しっかりと火を通す料理に使われますよね。アニサキスは60℃で1分以上、70℃以上なら瞬時に死滅します。中心までしっかり火を通せば、物理的にも安全が確保されます。

注意点として、ごく稀に「生(解凍ではない)」の赤魚が出回ることがあるかもしれませんが、それを自己判断でお刺身にするのは絶対にやめてください。また、解凍した赤魚を長時間常温で放置すると、鮮度が落ちてヒスタミン中毒などの別のリスクが発生します。解凍後は速やかに加熱調理をする、これさえ守れば、赤魚は非常に安全な魚なのです。

アラスカ産赤魚の産地や安全性は?

スーパーで赤魚のパックを手に取ると、産地表示には「アメリカ産(アラスカ)」や「ロシア産」、時には「アイスランド産」などの文字が並んでいます。海外産の魚に対して、「どこの海で獲れたのかよくわからない」「管理は大丈夫なのか」といった疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。特に、食の安全の問題に対して非常に慎重になるのは当然のことです。

現在、日本国内で流通している赤魚の主な漁場は、北太平洋や北大西洋などの広大な海域です。ここで大切なことは、「どこの海だから安全、危険」というイメージだけで判断するのではなく、「どのような検査を経て食卓に届くか」という仕組みを知ることです。

日本は世界でもトップクラスに厳しい食品安全基準を持っています。これは国産の魚だけでなく、輸入される魚に対しても同様です。水産庁や厚生労働省は、国内外の水産物に対して継続的なモニタリング検査を実施しており、放射能基準値(100Bq/kg)を超えるものが流通しないよう、厳重な監視体制を敷いています。実際に、近年の検査結果を見ても、赤魚を含む輸入底魚から基準値を超える事例は確認されておらず、安全性が確保されています。

また、アラスカの漁業は「世界で最もサステナブル(持続可能)で厳格」と評価されるほど、資源管理や環境保全に力を入れています。乱獲を防ぐことはもちろん、海の環境そのものを守る取り組みが徹底されているのです。

つまり、スーパーに並んでいる赤魚は、国産の魚と同じように、しっかりとした検査と管理をクリアしてきた「選ばれし魚」たちです。産地が海外であることは、決して不安材料ではなく、世界中の豊かな海からの恩恵だと捉えて、安心して召し上がってください。

赤魚が安すぎるのは危険だからではない理由

「体に悪いわけでも、危険なわけでもないなら、どうしてあんなに安いの?逆に怪しくない?」
お客様からこう聞かれることもよくあります。確かに、1パック数百円で買える魚なんて、今の時代なかなかありませんよね。でも安心してください。赤魚が安いのには、危険性とは全く無関係な、流通と経済の明確な理由があるのです。

最大の理由は、ズバリ「圧倒的な資源量」と「効率的な漁獲システム」にあります。

安さの理由解説
資源が豊富アラスカメヌケなどの赤魚類は、北太平洋や北大西洋に膨大な資源量が生息しています。一度の漁で大量に網に入るため、1匹あたりのコストが下がります。
冷凍技術の恩恵巨大な加工船で漁獲し、その場ですぐに冷凍して大量輸送します。鮮魚として空輸するのに比べて、船便での冷凍コンテナ輸送は輸送費を劇的に抑えられます。
ブランド力の差日本では「キンキ(キチジ)」や「ノドグロ(アカムツ)」は高級ブランド魚として高値がつきますが、赤魚にはそこまでのブランド力がありません。「大衆魚」としての位置付けのため、価格競争が起きやすく安値で安定します。

つまり、安いのは「質が悪いから」や「危険だから」ではありません。「たくさん獲れて、腐らせずに大量に運ぶルートが確立されているから」なのです。スーパー側としても、一年中安定して安く仕入れられる赤魚は、特売の目玉商品にしやすく、薄利多売でお客様に還元しやすい魚なんですね。この安さは、企業努力と効率化の賜物。裏にあるのは「危険」ではなく「物流の勝利」ですので、賢い消費者の皆さんは、安心して家計の味方につけてください。

赤魚は体に悪いどころか栄養豊富な救世主

ここまで、赤魚に対するネガティブな噂や不安について解説してきました。「なんだ、心配して損した!」と思われた方もいるかもしれません。ここからは、汚名を返上するどころか、実はスーパーフード級のポテンシャルを秘めた赤魚の「栄養」と「美味しさ」について、魚屋だからこそ知っている情報を深掘りしていきます。

高タンパクでアスタキサンチンも豊富な栄養価

赤魚の干物

赤魚は、日々の食事でタンパク質をしっかり摂りたいと考えている方にとって、理想的な食材の一つです。100gあたりのタンパク質含有量は約17g〜19g前後。これは鶏肉や牛肉と比較しても遜色のない数値です。しかも、肉類に比べて脂質が少ないため、カロリーを抑えながら筋肉や皮膚、髪の毛の材料となる良質なタンパク質を効率よく摂取することができます。

そして、赤魚を語る上で絶対に外せないのが、あの赤い皮に含まれる成分「アスタキサンチン」です。アスタキサンチンは、サケやエビ、カニなどにも含まれる天然の赤い色素ですが、その健康効果が近年ものすごく注目されています。

アスタキサンチンの驚くべきパワー

  • 圧倒的な抗酸化力: ビタミンEの約1000倍、ビタミンCの約6000倍もの抗酸化作用があると言われています。体の中の活性酸素を除去し、細胞の老化やサビつきを防いでくれます。
  • 眼精疲労の改善: アスタキサンチンは目の奥まで届く数少ない成分の一つ。パソコンやスマホで酷使した目の疲れを和らげる効果が期待されています。
  • 美肌効果: 紫外線によるシミやシワの原因となるダメージから肌を守る働きも研究されています。

魚屋として一番もったいないと思うのは、この「赤い皮」を残してしまうことです。「皮は苦手で…」と剥がして食べている方、実は一番栄養価の高い「天然の美容サプリ」を捨てているのと同じことなんです!煮付けや焼き魚にする際は、ぜひ皮ごと食べて、アスタキサンチンのパワーを余すところなく取り入れてください。

赤魚の脂質は太る?ダイエット向きな理由

赤魚の粕漬(これ旨いよね~)

「赤魚って、意外と脂が乗っていてジューシーだけど、太るんじゃないの?」
ダイエット中の方なら気になるところですよね。確かに、深海の冷たい海に住む赤魚は、寒さから身を守るためにしっかりと脂を蓄えています。しかし、その脂の質はお肉の脂とは全く別物です。

赤魚のカロリーは100gあたり約100kcal前後。これは、脂の乗ったサバ(約200kcal以上)やブリ(約250kcal)などの青魚に比べると、半分以下のカロリーです。満足感があるのに低カロリー、これだけでもダイエット向きと言えますが、秘密はそれだけではありません。

赤魚の脂には、「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」といったオメガ3脂肪酸が含まれています。これらは人間の体内では作ることのできない必須脂肪酸で、以下のような働きがあります。

  • 血中の中性脂肪を減らす。
  • 血液をサラサラにして、動脈硬化を予防する。
  • 脳の働きを活性化させる。

つまり、赤魚の脂は「体脂肪として蓄積されにくい」どころか、「代謝をサポートしてくれる良質なオイル」なのです。こってりした揚げ物や肉料理を食べる代わりに、メインのおかずを赤魚の煮付けや塩焼きに置き換える。たったそれだけで、満足感をキープしたまま摂取カロリーを減らし、健康的なダイエットをサポートしてくれます。

赤魚と金目鯛の違いや見分け方を解説

鮮魚コーナーで「これ、金目鯛じゃないの?あ、赤魚か…」と見間違えた経験はありませんか?どちらも真っ赤な体をしていて、目がクリッとしているので、パッと見はそっくりですよね。実際、お祝いの席の尾頭付きなどで、高価な金目鯛の代用として赤魚が使われることもあります。しかし、この二つは生物学的にも味も全く異なる魚です。

特徴赤魚(アラスカメヌケ等)金目鯛(キンメダイ)
分類カサゴ目フサカサゴ科
(カサゴやメバルの仲間)
キンメダイ目キンメダイ科
(全く別のグループ)
目の特徴大きさは普通〜やや大きい。
色は黒っぽい。
顔の半分くらいあるのではと思うほど巨大。
光を反射して金色に輝く。
ウロコ硬くてしっかりしている。少し剥がれやすい。
価格帯数百円(庶民の味方)数千円〜(高級魚)
味・食感身は白く、繊維がしっかりしていて淡白。
加熱するとプリッとした弾力が出る。
脂乗りが非常に濃厚で、甘みが強い。
身は柔らかく、とろけるような食感。

一番簡単な見分け方は、やはり「目」です。金目鯛はその名の通り、目が金色に光って見えるほど大きく特徴的です。一方、赤魚はカサゴの仲間らしい、少し愛嬌のある顔つきをしています。味に関しては、金目鯛のような濃厚な脂の甘みこそありませんが、赤魚はクセがなく、どんな味付けにも馴染む「万能選手」です。「今日は特別な日だから金目鯛」「普段の夕食にはコスパ最強の赤魚」という風に、使い分けるのが賢い魚食生活のコツですね。

赤魚の臭みを取る塩水解凍と下処理のコツ

冷凍赤魚

「冷凍の赤魚を買ってみたけど、解凍したら水っぽくてベチャベチャになった」「なんか生臭くて家族に不評だった」
こんな失敗談、実はものすごく多いんです。でも、これは魚の品質が悪いのではなく、「解凍の方法」が間違っているケースがほとんど。冷凍魚は解凍の仕方ひとつで、味が天と地ほど変わります。

私がお魚売り場でお客様にこっそり伝授している、失敗しない最強の解凍方法。それが「塩水解凍(ブライン解凍)」です。

なぜ塩水なのか?(浸透圧の魔法)

真水やお湯で解凍すると、魚の体液と真水の濃度差(浸透圧)によって、魚の細胞が破れ、旨味成分を含んだ「ドリップ(解凍液)」が流れ出してしまいます。これが「水っぽさ」の原因です。逆に、魚の体液に近い濃度の塩水で解凍すると、細胞を守りながら解凍できるため、旨味を逃しません。さらに、塩の効果で身がキュッと引き締まり、臭みの原因となる成分も抜けるのです。

サカシュン直伝!塩水解凍の黄金比率

  1. 塩水を作る: ボウルに水500mlを入れ、塩大さじ1(約15g)を溶かします。これが海水とほぼ同じ約3%の濃度です。
  2. 漬ける: 凍ったままの赤魚をパッケージから出し、塩水にドボンと沈めます。
  3. 待つ: そのまま常温(夏場は涼しい場所)で、夏なら30分〜1時間、冬なら1〜2時間ほど待ちます。
  4. 拭く: 指で押して弾力を感じるくらいに解凍できたら取り出し、キッチンペーパーで表面の水分をしっかり拭き取ります。

このひと手間をかけるだけで、特売の冷凍赤魚が、まるで獲れたてのようなプリップリの食感に生まれ変わります。「今まで電子レンジで解凍してた…」という方は、ぜひ一度試してみてください。その違いに驚くはずです。

焼くと縮む赤魚をふっくら仕上げる焼き方

赤魚をグリルで塩焼きにしたら、焼き上がりが「あれ?こんなに小さかったっけ?」と驚くほど縮んでしまい、食べてみると身が硬くてパサパサ…。これも赤魚あるあるの失敗例です。赤魚は水分量が多く、繊維質がしっかりしているため、急激に加熱するとタンパク質がギュッと収縮しやすい性質があります。

でも大丈夫。お店で出てくるようなふっくらとした焼き魚にするためのテクニックがあります。

1. 「酒」を振って10分置く

解凍して水分を拭き取った後、焼く10分ほど前に料理酒を全体に振っておきます。お酒の効果で身がふっくらと柔らかくなり、魚特有の臭みも消してくれます。焼く直前に再度表面の水分を拭き取ってから、塩を振って焼いてください。

2. 「低温」の意識を持つ(サカシュン流)

私が揚げ物などで推奨している「低温調理」の考え方は、焼き魚にも応用できます。強火でガンガン焼くと表面だけ焦げて中が縮んでしまいます。中火〜弱火でじっくり火を通すことで、水分を保ったままジューシーに仕上がります。

そして最後に裏技。焼き上がりの直前に、ハケで少量の醤油やみりんをサッと塗って、数秒だけ炙ってみてください。香ばしい香りが立ち上り、ご飯が止まらなくなること間違いなしです!

まとめ:赤魚は体に悪い食品ではないので安心を

ここまで読んでいただければ、もう「赤魚 体に悪い」という検索結果に過度に怯える必要がないことはお分かりいただけたと思います。

赤魚は、適切な管理のもとで輸入された魚であり、私たちが普段不足しがちな良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸、そしてアスタキサンチンを手軽に摂れる素晴らしい食材です。「安すぎる」背景にあるのは、危険な裏事情ではなく、豊富な資源量と効率的な物流システムという合理的な理由でした。

赤魚の安全性と正しい付き合い方

  • 「体に悪い」は誤解: 公的データに基づいても水銀や放射能のリスクは低く、一般的な食用魚として扱われています。
  • 添加物は選べる: 着色料が気になる場合は、パッケージ裏の「原材料」を確認し、「無着色」の商品を選べば回避可能です。
  • 妊婦さんの摂取について: 厚生労働省が注意を喚起している「水銀を多く含む魚」のリストに赤魚は含まれていません。バランスの良い食事の一環として、週1〜2回程度楽しむ分には問題ないとされています。
  • 美味しさは解凍で決まる: 魔法の「塩水解凍」と、栄養豊富な「皮まで食べる」スタイルで、赤魚のポテンシャルを最大限に引き出しましょう。

「今日の晩ご飯、何にしようかな?」と迷ったら、ぜひスーパーで赤魚を手に取ってみてください。正しい知識とちょっとした調理のコツがあれば、赤魚はあなたの家の食卓を彩る、安くて美味しくて健康的な「最強の味方」になってくれるはずですよ。

※本記事は、厚生労働省やFDA(米国食品医薬品局)等の公的データに基づき作成していますが、健康への影響には個人差があります。特に妊娠中の方や基礎疾患をお持ちの方で、食事制限について不安がある場合は、かかりつけの医師にご相談の上ご判断ください。に従ってください。

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