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ホウボウは高級魚?値段と旬、食べ方まで徹底解説

「ホウボウは高級魚」と聞いたことはあるけれど、実際のところどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

かつては上流階級の魚とも呼ばれたホウボウですが、現在の値段、特に値段 スーパーでの価格帯はどれくらいなのでしょうか。

また、美味しい食べ方として刺身、塩焼き、煮付け、唐揚げなどが挙げられますが、一部でささやかれる「まずい」という噂の真相や、ホウボウに似た魚との見分け方、独特な捌き方のコツも知っておきたいポイントです。

この記事では、ホウボウの旬や主な獲れる地域、そもそも何目何科の魚なのかといった基本情報から、生食で気になる「ホウボウ魚にアニサキスは寄生しますか?」という安全性に関する疑問まで、網羅的に解説します。

「日本で1番高級な魚は何ですか?」や「日本の三代高級魚は?」といった疑問と比較しながら、ホウボウの本当の価値に迫ります。

この記事で分かること

  • ホウボウが高級魚と呼ばれる理由と現在の価格相場
  • ホウボウの生態(分類・旬・獲れる地域)
  • ホウボウの味の評価と安全な食べ方(アニサキス)
  • プロが教える捌き方と絶品レシピ(刺身・煮付けなど)

ホウボウは高級魚?生態と値段を解説

  • ホウボウは何目何科?獲れる地域は?
  • ホウボウの旬とホウボウに似た魚
  • ホウボウの値段と値段 スーパー比較
  • 日本で1番高級な魚は何ですか?
  • 日本の三代高級魚は?

ホウボウは何目何科?獲れる地域は?

ホウボウは、そのユニークな姿から水族館などでも人気のある魚ですが、分類学上はカサゴ目ホウボウ科ホウボウ属に属しています。(出典:東京都島しょ農林水産総合センター「ホウボウ」)硬い骨板に覆われた頭部を持つカサゴやメバル、カジカなどと同じグループの魚です。

ホウボウの最大の特徴は、翼のように大きく広がる美しい胸ビレです。この胸ビレは鮮やかな青緑色で、青い縁取りと斑点に彩られており、敵を威嚇する際などに使われると考えられています。

さらに興味深いのは、胸ビレの一番下にある3対の軟条(なんじょう)です。これは指のように太く発達しており、遊離して脚のように動かすことができます。これを使って海底を「這い回る」ように移動しながら、エサとなるエビやカニを探します。この動作が「方々(ほうぼう)を這い回る」として名前の由来になったという説もあります。

「鳴く魚」としても有名

ホウボウは釣り上げられた時などに、浮き袋(鰾)にある発音筋を振動させて「グーグー」「ボーボー」と鳴くことでも知られています。これが名前の由来になったという説もあるほど、特徴的な音を出します。

主な獲れる地域(生息域)は非常に広く、北海道南部以南の日本沿岸全域、黄海、東シナ海から南シナ海まで広範囲に分布しています。生息する水深も幅広く、水深25mほどの沿岸の浅場から水深600m以上の深海の砂泥地にまで及びます。そのため、特定の「代表産地」というものはなく、一年を通して日本全国の漁港から入荷が見られます。

ホウボウの旬とホウボウに似た魚

ホウボウの美味しさを最も深く楽しめる旬は、産卵期(3月〜5月頃)を控えた冬、具体的には12月から2月頃です。

この時期のホウボウは、産卵に向けて栄養をたっぷりと蓄えているため、身に上質な脂が乗り、旨味と甘みが格段に強くなります。旬の時期以外でも一年を通して漁獲され、味が大きく落ちることはありませんが、最も美味しい時期を選ぶなら間違いなく冬でしょう。

市場や鮮魚店で、ホウボウと非常によく似た魚として「カナガシラ」という魚が並んでいることがあります。両者は同じホウボウ科の魚で、パッと見ただけでは見分けるのが難しいかもしれません。

他のよく似た魚の見分け方については、メゴチとマゴチの違い丸アジと真アジの違いを解説した記事も参考になります。

ホウボウとカナガシラの見分け方

最も簡単で確実な見分け方は、胸ビレの色です。ホウボウの胸ビレが鮮やかな青緑色で美しい模様があるのに対し、カナガシラの胸ビレは赤っぽい単色、または地味な色合いをしています。

他にも、ホウボウの方が大型(40cm以上に達する)になる傾向があることや、ホウボウのウロコの方がより細かく、ザラザラ感が少ないといった違いもあります。

味はどちらも上品な美味しい白身魚ですが、市場での評価は異なります。一般的にホウボウの方が旨味が強く、身質も良いとされ、カナガシラよりも高値で取引されることが多いです。カナガシラはより安価で、練り製品の原料などに使われることもあります。

特徴ホウボウカナガシラ
胸ビレの色鮮やかな青緑色(縁取りや斑点あり)赤っぽい、または地味な単色
味わい上品な旨味と甘みが強い淡白で美味しい白身
価格カナガシラより高価な傾向ホウボウより安価な傾向
ウロコ非常に細かい(ツルツルした印象)やや大きくザラザラしている

ホウボウの値段と値段 スーパー比較

ホウボウは、江戸時代にはその上品な味わいと美しい姿から「君の魚(キミウオ)」と呼ばれ、武家や上流階級が食す高貴な魚、すなわち高級魚として扱われていました。その名残から、現在でもお食い初めなどのお祝いの席で使われることがあります。

では、現代におけるホウボウの値段はどうでしょうか。

かつては高級魚の代名詞的存在でしたが、現在は底引き網漁などで比較的まとまった量が安定して漁獲されるため、「超」高級魚というわけではなく、比較的手に取りやすい価格に落ち着いています。

例えば、東京の豊洲市場での卸売価格の目安は1kgあたり800円〜1,500円程度が中心とされています。もちろん、これはあくまで標準的な相場であり、漁獲量が減れば高騰しますし、逆に大漁が続けば値下がりします。

補足:スーパーでの価格と価格変動要因

卸売価格から換算すると、スーパーでの小売価格は1kgあたり1,200円〜2,300円程度がひとつの目安となります。ただし、鮮魚コーナーで丸ごと1匹で売られている場合、サイズや鮮度にもよりますが、1匹数百円(例:特売で210円)で販売されていたという情報もあり、地域や店舗、旬の時期によって価格差は非常に大きいのが実情です。

私が実際によく行くスーパーでも、旬の時期からは外れていましたが4尾で598円と特売をしていたこともありました。

一方で、活け締め(漁獲後に船上ですぐに締めたもの)や、40cmを超える大型の個体は、料亭や寿司店での需要が高いため、卸売価格でも1kgあたり数千円の値が付くことがあります。

産地直送の通販サイトなどでは、鮮度や品質にこだわったものが1kgあたり2,000円〜3,000円(送料込み)以上で販売されているケースも多く見られます。

このように、ホウボウは「かつての高級魚」であり、現在も和食料理店などで扱われる上質な魚であることは間違いありません。しかし、サイズや鮮度にこだわらなければ、一般家庭でも手の届く価格帯にあると言えるでしょう。

日本で1番高級な魚は何?

「日本で1番高級な魚」を一口に決めるのは非常に難しい問題です。なぜなら、「ご祝儀相場」なのか「安定した市場価格」なのか、また「1匹あたりの価格」なのか「1kgあたりの単価」なのかで、その答えが変わってくるからです。

話題性として最も有名なのは「クロマグロ(本マグロ)」でしょう。

特に、毎年1月に行われる豊洲市場の初競りでは、縁起物としてのご祝儀価格が付き、驚くような高値で取引されます。例えば、2019年には1匹(278kg)に3億3360万円という史上最高値が付きました。これは1kgあたり120万円という計算になります。通常期の取引価格とはかけ離れていますが、「日本一高い魚」の象徴的な存在です。

希少性で日本一とされる魚

安定した市場価格や単価で見た場合、漁獲量が極端に少ない「鮭児(ケイジ)」が挙げられます。これはシロザケの中でも未成熟で脂が非常に乗った個体のことで、1万本に1本とも言われる希少性から、1kgあたり数万円、1匹で数十万円の値が付くこともある超高級魚です。

日本の三代高級魚は?

「日本の三大高級魚」についても、実は明確な定義や決まりはありません。時代や地域、そして評価する人(市場関係者、料理人、釣り人など)によって、その顔ぶれは大きく変わります。

ただ、一般的に料亭などで珍重され、安定して高値で取引される魚として、以下の3種が挙げられることが多いです。

一般的に挙げられる「三大高級魚」候補

  • ノドグロ(アカムツ):テニスの錦織圭選手が好物として挙げたことで一躍有名になりました。「白身のトロ」とも呼ばれるほど脂の乗りが抜群で、口の中でとろけるような深い旨味が特徴です。煮付けや塩焼き、刺身で珍重されます。
  • キンキ(キチジ):真っ赤な体色が美しい深海魚。北海道などで漁獲されます。こちらも脂が非常に多く、とろけるような上質な身質が特徴で、煮付けや湯煮(ゆに)が絶品とされます。
  • シロアマダイ(白川):アマダイにはアカアマダイ、キアマダイ、シロアマダイの3種がいますが、中でもシロアマダイは最も漁獲量が少なく希少です。「幻の魚」とも呼ばれ、その上品な甘みと繊細な身質は最高級とされています。

地域による「三大高級魚」の違い

これはあくまで一例です。例えば沖縄県では、ハタ科の「スジアラ(アカジン)」、フエダイ科の「ハマダイ(アカマチ)」、ベラ科の「シロクラベラ(マクブ)」が三大高級魚と呼ばれることもあり、その土地の食文化と密接に結びついています。

これらの魚と比較すると、ホウボウは「高級魚」の部類には間違いなく入るものの、日常的に目にする機会も多い、「やや高級な、しかし身近な大衆魚」という位置づけが、現代では最も近いかもしれません。

ノドグロ(アカムツ)も高級魚ですが、深海魚の高級魚として知られるムツやクロムツも格別の味わいです。

ホウボウ高級魚の捌き方と食べ方

  • ホウボウはまずい?
  • ホウボウ魚にアニサキスは寄生しますか?
  • ホウボウの捌き方とおすすめの食べ方
  • 刺身と塩焼きのおすすめレシピ
  • 煮付けと唐揚げのおすすめレシピ
  • ホウボウは高級魚!美味しく楽しもう

ホウボウはまずい?

結論から言うと、ホウボウが「まずい」というのは、ほぼ間違いなく「鮮度」や「調理法」による誤解です。旬の時期に獲れた新鮮なホウボウは、白身魚の中でもトップクラスの美味しさを誇ります。

その味わいは、フグにも似たとも評される、クセがなく非常に上品な旨味とほのかな甘みが特徴です。食感も素晴らしく、新鮮なものは生(刺身)であればプリプリ、モチモチとした独特の心地よい歯ごたえが楽しめます。加熱すると硬く締まりすぎず、ふっくらと柔らかく仕上がります。

では、なぜ一部で「まずい」という噂が立つことがあるのでしょうか。それにはいくつかの理由が考えられます。

味が落ちる可能性のある要因

  • 鮮度の低下:ホウボウは比較的鮮度が落ちやすい魚です。鮮度が落ちると、せっかくの旨味や食感が失われ、水っぽく感じられることがあります。
  • 時期外れ:前述の通り、旬(冬)を外した産卵後の個体は、脂が抜けて身がパサついたり、旨味が薄くなったりすることがあります。
  • 歩留まりの悪さ:ホウボウは頭が大きく、硬い骨格で覆われているため、可食部(身の部分)が全体の40%程度と少ない魚です。そのため、調理の手間に見合わないと感じる人が「(苦労した割に)美味しくない」と評価した可能性も考えられます。
  • 個体差:非常に大きな個体(大味)や、生息環境によっては、ごく稀に泥臭さを感じる場合があるという情報もあります。

旬の時期に獲れた新鮮なホウボウを選び、適切な調理法で味わえば、「まずい」と感じることはまずないでしょう。特に刺身や、後述するアラから取った出汁(あら汁)を味わえば、その上品な旨味に驚かされるはずです!

ホウボウにアニサキスは寄生しますか?

魚を生で食べる際に非常に気になるのが寄生虫「アニサキス」の存在です。これは食中毒に関わる重要な情報ですので、公的機関の情報を基に慎重にお伝えします。

アニサキス寄生の可能性について

ホウボウは、サバやアジ、イカ、サンマなどと比較すると、アニサキスの寄生リスクが低い魚とされています。しかし、海洋に生息する魚である以上、稀にアニサキスが寄生している可能性はゼロではありません

アニサキスが寄生した魚介類を生で食べると、食後数時間から十数時間後に激しい腹痛や吐き気、嘔吐をもよおす「アニサキス症」を引き起こす場合があります。

アニサキスは通常、魚の内臓(消化管)に寄生していますが、魚が死亡して時間が経過すると、内臓から筋肉(身)の部分に移動することが知られています。

アニサキス症の予防に関しては、厚生労働省も注意喚起を行っています。安全に食べるための予防法を理解しておくことが非常に重要です。(参考:厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」

安全に食べるための予防法(厚生労働省より)

  • 最も重要なのは、新鮮な魚を選び、購入後は速やかに内臓を取り除くことです。内臓にいるアニサキスが身に移るのを防ぎます。
  • 生食(刺身など)の際は、身の表面をよく目視で確認し、アニサキス(長さ2〜3cmの白く細長い糸状)がいないかチェックします。
  • 最も確実な予防法は、加熱(70℃以上、または60℃で1分以上)することです。
  • 生食にこだわりたい場合の確実な方法は、冷凍(-20℃で24時間以上)することです。冷凍すればアニサキスは死滅します。

なお、一般的な料理で使う食酢、塩漬け、醤油やわさび程度ではアニサキスは死滅しないため、シメサバなどで過信しないよう注意が必要です。

また、ホウボウの卵巣(真子)には「フィロメトラ」という赤いミミズのような寄生虫がいることがありますが、こちらは見た目が良くないものの、万が一食べてしまっても人体に害はないとされています。

ホウボウの捌き方とおすすめの食べ方

ホウボウは頭部が硬い骨板で覆われており、独特の体型をしているため、初めて捌く際は少し戸惑うかもしれません。しかし、コツさえ掴めば、その美味しい身とアラを余すところなく活用できます。

ホウボウの基本的な捌き方

  1. ウロコ取り:ホウボウのウロコは非常に細かく、気にならない場合は取らなくてもよいとされますが、煮付けや汁物にする際は食感が悪くなるため、包丁で軽くこするようにして(すき引き)丁寧に取り除きます。
  2. 頭を落とす(内臓抜き):ここが最大のポイントです。胸ビレの付け根(硬い骨の下)から、腹ビレの下を通って斜めに包丁を入れます。反対側も同様に切り込みを入れ、最後に背骨を断ち切ります。この時、頭をゆっくりと引き抜くと、内臓も一緒にきれいに抜き取ることができます。
  3. 三枚おろし:頭と内臓を取り除いた後は、一般的な魚と同様に、背中側と腹側から中骨に沿って包丁を入れ、三枚におろします。身は非常に上質で、透明感があります。

ホウボウは捌くのが少し難しい魚ですが、その分、美味しい部位がたくさんあります。

アラは捨てないで!ホウボウの真価は出汁にあり

ホウボウは頭が大きく可食部が少ない(歩留まりが悪い)反面、頭や中骨などのアラからは、非常に上品で甘みのある、極上の美味しい出汁が出ます。このアラを捨てるのは絶対にもったいないです。

あら汁、潮汁、鍋物はもちろん、洋風のブイヤベースアクアパッツァのベースに使うと、レストラン級の深い味わいを生み出すことができます。

おすすめの食べ方

ホウボウは和食から洋食まで幅広く使える万能な白身魚です。その上品な味わいは、どんな調理法にもマッチします。

  • 生食:刺身、カルパッチョ、昆布締め、漬け丼、なめろう
  • 加熱:煮付け、塩焼き、唐揚げ、鍋物、潮汁、ブイヤベース、アクアパッツァ、ムニエル、ポワレ、天ぷら

刺身と塩焼きのおすすめレシピ

絶品!ホウボウの刺身(バリエーション)

新鮮なホウボウが手に入ったら、まずは刺身が一番です。上質な白身の旨味と独特の食感をダイレクトに味わえます。

刺身の基本と応用

  1. 三枚におろした身の腹骨をすき取り、血合い骨を毛抜きで丁寧に抜きます。
  2. 皮を引きます。皮がしっかりしているので、包丁を寝かせて丁寧に引きます。
  3. 刺身に切っていきます。薄く切るとトロッとした繊細な食感が、厚めに切るとモチっとした力強い食感が楽しめます。
  4. 食べ方:わさび醤油はもちろん、塩とレモンやスダチなどの柑橘類でいただくと、ホウボウの上品な甘みがより一層引き立ちます。
  5. 応用① 昆布締め:刺身を昆布で挟み、冷蔵庫で数時間〜一晩寝かせます。昆布の旨味が身に移り、ねっとりとした食感と深い味わいになります。
  6. 応用② 焼き切り(湯引き):皮を引かずに、皮目だけをバーナーで炙るか、熱湯をかけて氷水で締めます(霜皮造り)。皮下の旨味と香ばしさが加わり、絶品です。

香ばしい!ホウボウの塩焼き

シンプルな塩焼きも、ホウボウの旨味を凝縮させて堪能できる定番の食べ方です。ただし、ホウボウは水分が多めの魚なので、焼き方に少しコツが要ります。

塩焼きを美味しく仕上げるコツ

加熱しすぎると身が締まって硬くなりやすいため、火加減が重要です。

  1. 捌いた切り身、または丸ごと(内臓処理後)のホウボウに、焼く30分〜1時間ほど前に少し強めの振り塩をします。これにより、余分な水分が抜け、旨味が凝縮します。
  2. 出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。
  3. グリルや炭火で、中火〜強火の遠火でじっくりと火を通し、表面を香ばしく焼き上げます。皮目の美味しさもホウボウの魅力です。

焼く前に軽く料理酒を振りかけておくと、ふっくらと仕上がりやすくなるという方法もあります。

最高の焼き方:炭火による「立て焼き」

ご家庭の魚焼きグリルでももちろん美味しく焼き上がりますが、もし環境が許すのであれば炭火焼きが最高です。

特に、ホウボウは水分が多いため、囲炉裏(いろり)や炉端焼きのように串を打って「立て焼き」にするのがおすすめです。立て焼きにすることで、余分な水分が下に落ちながらじっくりと火が通り、身はふっくらと、皮目はパリッと香ばしく焼き上がります。

炭火の遠赤外線効果で、ホウボウの持つ皮目の独特の風味と、しっとりとした身の柔らかさを最大限に引き出すことができ、その美味しさに驚愕します。

煮付けと唐揚げのおすすめレシピ

定番中の定番!ホウボウの煮付け

ホウボウは煮付けにしても絶品です。旨味が煮汁に溶け出し、非常に深い味わいになります。ホウボウの淡白で上品な身には、少し濃いめの味付けがよく合います。

  1. エラ・内臓・浮袋を取って熱湯を回しかけ霜降りします。(鮮度がよければ臭みは出ないのでしなくて大丈夫です)霜降り後、すぐに冷水にとって表面のぬめりや残ったウロコ、血合いを洗い流します。この一手間で、生臭さが消え、味が格段に良くなります。
  2. 鍋に水、酒、みりん、砂糖、醤油(例えば、水100mlに対し、酒・みりん・醤油を各大さじ2、砂糖を大さじ1など、お好みの甘辛い比率で)を入れて煮立てます。
  3. 煮立ったらホウボウを入れ、落し蓋をして中火で5分〜10分ほど煮ます。
  4. 煮汁が少し煮詰まってきたら、時々スプーンで煮汁を魚にかけながら照りを出し、完成です。
  5. 上品な出汁が出るため、大根やゴボウや豆腐と一緒に煮るのもおすすめです。

ホウボウの煮付けも格別ですが、”一番うまい煮付け魚”と評されることもあるシズ(イボダイ)の煮付けもぜひお試しください。

丸ごと美味しい!ホウボウの唐揚げ

もし小型のホウボウが手に入ったら、丸ごと唐揚げにするのがおすすめです。頭から骨までバリバリと食べられ、お酒のおつまみにも最適です。

  1. ウロコと内臓、エラを取り除き、水気をよく拭き取ります。
  2. 全体に塩コショウで下味をつけるか、醤油・酒・生姜などで下味をつけます。
  3. 片栗粉(または唐揚げ粉)をまんべんなくまぶします。
  4. 140℃~160℃程度の低温の油でじっくりと揚げ、骨まで火を通します。一度取り出して余熱で火を通します。
  5. 食べる直前に180℃程度の高温の油で二度揚げし、表面をカリッとさせたら完成です。レモンやポン酢でさっぱりといただきます。

中骨や頭の硬い部分は、さらにじっくり揚げて「骨せんべい」にすることもできます。

ホウボウは高級魚!美味しく楽しもう

この記事では、ホウボウが高級魚と呼ばれる理由から、その生態、現在の価格相場、そして捌き方や美味しい食べ方までを詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをリストでまとめます。

  • ホウボウはかつて「君の魚」と呼ばれた高級魚だった
  • 現在は漁獲量が安定しスーパーでも見かけるようになった
  • 豊洲市場の相場目安は1kgあたり800円から1500円程度
  • 分類はカサゴ目ホウボウ科に属する
  • 北海道南部から九州までの沿岸、砂泥地に生息する
  • 最も美味しい旬の時期は冬(12月から2月)
  • 似た魚はカナガシラで胸ビレの色で見分けられる
  • 「まずい」は誤解で非常に上品な上質の白身が特徴
  • 旬を外したり鮮度が落ちたりすると味が落ちることがある
  • 食べ方は刺身、煮付け、塩焼き、唐揚げなど万能
  • 頭が大きく硬いため捌き方には少しコツが要る
  • 頭やアラからは絶品の出汁が出るため活用が推奨される
  • アニサキスが稀に寄生する可能性があり生食時は注意が必要
  • 生食の際は新鮮なものを選び内臓を早く処理し目視確認が重要
  • 最も安全なアニサキス予防策は加熱または冷凍である

ホウボウは、その歴史的な背景と現代での流通量のバランスから、「少し贅沢な、手の届く高級魚」と言えるでしょう。適切な知識を持って旬の時期に味わえば、その上品な美味しさに感動すること間違いなしの魚です。ぜひ鮮魚店で見かけた際は、この記事を参考に、刺身からアラの出汁まで、余すところなく様々な料理に挑戦してみてください。

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